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MONOLITHのカラーバリエーション 「グレー」について

2021/6/23
前回はMONOLITHのブランドカラーであるブラック以外のカラーバリエーション「グレー」と「ネイビー」の「ネイビー」ご紹介しましたが、今回はもう一つのカラーバリエーションである「グレー」にFeatureしたいと思います。
と言ってもMONOLITHにおいて「グレー」の色展開があるのは現在のところSTANDARDラインのみとなるのですが、この「グレー」という色にはSTANDARDラインならではのMONOLITH開発陣の強い想いがあります。それは「MONOLITHをユニセックスで使ってもらいたい」という想いです。


ー MONOLITHはメンズのバッグブランドか

MONOLITHにはそもそもメンズ・レディースという概念はありません。
STANDARD、OFFICE、PROの全てのラインの商品それぞれがユーザーであるみなさまのライフスタイルやお仕事のスタイルにフィットするのであれば、男性にも女性にもお使い頂けるプロダクトだと思っています。
その中でもSTANDARDラインはMONOLITHとしても全てのラインの基盤となるものであり、最も多くの方々にお使い頂けるラインで「ユニセックス」を体現しているラインとも言えます。


ー よりユニセックスで使いやすいカラーは何色か

そのSTANDARDラインのカラーバリエーションを決める際、「ネイビー」は前回のとおりすでに決定していたのですが、よりユニセックスで使いやすい色はなんだろうと開発陣は頭を悩ませました。
その結果、MONOLITHが導き出したのは「グレー」でした。

日本には「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という伝統色を表す言葉があります。
江戸時代後期、町人や商人が裕福になり衣装にお金をかけ、それぞれが贅を競うようになった際に「庶民に贅沢されては困る」と江戸幕府が「奢侈禁止令」を出し、庶民の着物の色・柄、そして生地に至るまで規制をかけたのです。
庶民が着られる着物の色は「茶(ブラウン)」、「鼠(グレー)」、「藍(ネイビー)」のみとなってしまったのですが、粋で洒落た江戸の町民たちはその許された色の範疇で微妙な染め分けをした新しい色を続々と作り出していき、落ち着いた色調の中でも「粋な着物」を追求したのです。

この時にできた「茶(ブラウン)」と「鼠(グレー)」の膨大なカラーバリエーションが「四十八茶百鼠」です。
中でも「鼠(グレー)」は、「鳩羽鼠(はとばねず)」や「利休鼠(りきゅうねず)」、「深川鼠(ふかがわねず)」、「浅葱鼠(あさぎねず)」、「納戸鼠(なんどねず)」、「ぶどう鼠(ぶどうねず)」、「藍鼠(あいねず)」、「薄墨色(うすずみいろ)」、「錫色(すずいろ)」などなど、そのカラーバリエーションは実に膨大で当時のお洒落な江戸の人々の粋な想いが凝縮された色とも言えます。
それがよく見て取れるのが葛飾北斎ら江戸の人気絵師たちが描いた美人画です。
そこでは「鼠(グレー)」色の着物を着た女性が多く描かれており、江戸時代で男性にも女性にも様々な「鼠(グレー)」色が愛されていたことがわかります。

この日本の伝統色を独自に解釈をし、絶妙に色を配合しながらMONOLITHならではのグレーのファブリックを作り上げました。
是非このMONOLITHの「グレー」を多くの方々に愛用して頂けたら嬉しいです。

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